人間力コラム

メールの文章力大丈夫?    11. 3. 2

「いつもお世話になります」ビジネスの現場において電話に出るときの開口一番、そしてメールの書き出しもこの言葉が良く使われる。
え、そんなにお世話になってたっけ?
まだお付き合いがないのに?
ビジネスの慣用句にはこうした、ん?と考えてしまうことが良くある。
ビジネスのコミュニケーション手段のメインが「メール」になってからこうした慣用句を無意識に使用したり、言い回しをどこでも流用することはもはや当たり前に。

そこで最近感じるのが、文章力の低下だ。
先ほどのメールは顕著な例だが提案書や企画書、時には会社案内や商品パンフレットなど
対外的にも重要な書類すら怪しい文章表現が多い。

関係者各位殿、○○部長様といった二重敬語から「ですます調」や「である調」などの文末の処理、「起承転結」などの文脈などその例を挙げるときりがないほどだ。
くどくどと同じ内容が何度も繰り返され「それで何が言いたいの?」という結論が不明瞭な文章を理解するために何度も文章を読み返すという経験をされた方も多いのではないでしょうか。

メールの文章はある意味、その人の性格が感じられる。
私は相手が社内の人だろうが、社外の方だろうが同じような書き方をしている文章が最も気になる。
逆に「うまいなぁ」と感心させられるものの例をいくつか紹介すると、

・     ある事柄についてやり取りが続いているメールには、挨拶を割愛している。

・     厳しい内容を伝える文章は、一方的に自分の都合を述べるのではなく、客観的な視点が含まれている。

・     要件やポイントは文章ではなく、その部分だけ箇条書きにしている。

・     感情的な内容や表現はメールでは使わない。

・     込み入った内容の最後には、PSなどで全く関係のない話題を入れている。

この他にもいろいろとあるが、これらに共通していることが何であるかお分かりになるでしょうか?
「相手を思いやる気持ち」です。
顔が見えないだけに、またメールという非常にイージーに文書が作れるだけに、相手のことを考えて文章を書く力というものが、これからますます重要になってくると思うのです。