社会人ともなれば、入社まもなく電話の受け答えを学ぶ。
凡その基本は次の3つだ。
- ・ 正しい言葉遣い
- ・ 適切な応対の仕方
- ・ 電話取次ぎのマナー
ところが2、3年もすると仕事も慣れ、電話の対応がぞんざいになってくる。それは業務の電話に対する慣れや、相手の顔が見えないことからの緊張感の薄れなどからだ。
先日ある会社から営業の電話があったときのこと。
言葉遣いは丁寧だし、日本語の使い方もそれほど間違ってはいない、受け答えもはっきりしているのに、どうもその営業マンの受け答えが鼻につくのだ。
決定的だったのは、電話口からほんのかすかにであるが「ふぅー」という息が聞こえた時だ。それはため息ではない息の吐き方。そう、タバコを吐く息。
想像するに、タバコを吸いながら椅子にふんぞり返って話していたのではないだろうか。そういう姿勢は、いくら丁寧なしゃべり方をしても、相手には雰囲気として伝わってくるものだ。人は、五感のうち1つでもその感覚を遮断されてしまうと、他の感覚が敏感になる。目の前に相手がいなくても、相手のことを真剣に思えば姿勢や態度も変わってくるはず。
また、逆も言える。相手のことを考え、きちんとした姿勢や態度で電話をすると、言葉以上にその誠意が伝わるものだ。